エポキシ樹脂の種類と特徴について


関東を拠点に、重防食・防水塗料の製造・販売、ポリウレア・超速硬化ウレタン防水工事、レーザーブラストクリーニング等を手掛けている菱洋株式会社でございます。


エポキシ樹脂は、高い接着性と耐久性を持ち、防食塗料・接着剤・FRP(繊維強化プラスチック)・電子材料など、産業やインフラの幅広い分野で利用されています。

しかし、エポキシ樹脂は「ひとつの種類」ではなく、主原料や分子構造の違いによって複数のタイプに分類され、それぞれ特性や用途が異なります。


ここでは代表的なエポキシ樹脂の種類を整理し、防食塗料分野で広く使われる「ビスフェノールA型」と、それをベースにした弊社製品「エポプルーフ」についてご紹介します。



□ビスフェノールA型エポキシ樹脂(BPA型)


構成・合成


原料:ビスフェノールA(BPA)とエピクロルヒドリン

構造:ジグリシジルエーテル型(分子中に2つのエポキシ基を持つ)


特徴


・接着性、機械的強度、耐薬品性のバランスに優れる

・鉄やコンクリートとの密着性が高く、防食用途に適する

・硬化物は硬く剛性があり、長期耐久性に優れる


主な用途

防食塗料(橋梁、水道施設、化学プラント設備など)/接着剤/FRPタンク・配管補強/電子部品の封止材



□ビスフェノールF型エポキシ樹脂(BPF型)


構成・合成


原料:ビスフェノールFとエピクロルヒドリン

構造:BPA型と類似するが、分子量が小さく低粘度


特徴


・ビスフェノールA型よりも低粘度で、施工性に優れる

・高充填配合(フィラーを多く混ぜる配合)でも加工性を維持できる

・硬化物は耐薬品性に優れ、寸法安定性も高い

・耐熱性はBPA型と大きな差はない


主な用途

無溶剤型の防食塗料/電気絶縁用の注型材/コンクリート補修材/耐薬品ライニング



□ノボラック型エポキシ樹脂


構成・合成


原料:フェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリン

構造:分子内に多数のエポキシ基を有し、硬化後は高い架橋密度を形成


特徴


・高温でも安定した耐久性を発揮

・酸、アルカリ、溶剤に強く、BPA型よりも耐薬品性が高い

・硬化物は硬く脆いため、衝撃や動的荷重には弱い


主な用途

化学プラントの耐薬品ライニング/耐酸タンク・排水処理設備/半導体封止材・電気絶縁材/高温環境下の構造材料



□脂肪族型(脂環族型)エポキシ樹脂


構成・合成


原料:脂肪族または脂環族化合物とエピクロルヒドリン

構造:芳香族骨格ではなく、脂肪族構造を持つ → 紫外線に強い


特徴


・耐候性・耐紫外線性に優れ、黄変しにくい

・透明性が高く、美観重視用途に適する

・柔軟性があり、衝撃や変形に追随しやすい


主な用途

屋外用クリヤー塗料/建築外装のトップコート/光学材料・透明注型材/柔軟接着剤



□菱洋株式会社「エポプルーフ」


防食塗料では、基材との強固な密着性と薬品・水への耐久性が求められます。

この条件をバランスよく満たすのがビスフェノールA型であり、水道施設や橋梁、工場設備などで長年採用されてきました。


弊社が提供する 無溶剤型エポキシ樹脂塗料「エポプルーフ」 も、このビスフェノールA型をベースにしています。

エポプルーフは 日本水道協会規格(JWWA K-143/K-157)に適合 しており、飲料水施設でも安心して使用可能です。また、20年以上の採用実績があり、鉄鋼構造物やコンクリート構造物の防食において信頼を積み重ねています。



□まとめ


エポキシ樹脂には複数の種類があり、


ビスフェノールA型バランスに優れ、防食塗料に最も多く採用

ビスフェノールF型低粘度・耐薬品性重視

ノボラック型高耐熱・高耐薬品性が必要な環境に適用

脂肪族型耐候性・透明性を重視する美観用途に利用


といった特徴があります。



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