コンクリート含浸補強材「エポプルーフASP:DSP」とは?―中性化・脆弱化したコンクリートへの適用と下地処理のポイント


関東を拠点に、重防食・防水塗料の製造・販売、ポリウレア・超速硬化ウレタン防水工事、レーザーブラストクリーニング等を手掛けている菱洋株式会社でございます。


コンクリート構造物は、長年の使用により「中性化」や「凍害」「塩害」などの劣化が進行し、表層が脆弱化したり微細なクラックが発生します。

これらの劣化に対して有効な補強方法のひとつが、コンクリート含浸補強材による表層強化です。


今回は、当社が提供するエポキシ系含浸補強材 「エポプルーフASP:DSP」 の特長と、よくあるご質問「脆弱化したコンクリートにはつりは必要なのか?」について解説します。



□エポプルーフASP:DSPとは?


エポプルーフASP:DSPは、低粘度に改質したエポキシ樹脂がコンクリート内部に浸透し、微細クラックや空隙を充填して強度と耐久性を向上させるコンクリート含浸補強材です。


・微細クラック(0.1〜0.3mm程度)に浸透

・表層を緻密化し、摩耗や薬品への耐性を向上

・含浸後に硬化し、鉄筋腐食を抑制

特に、中性化や軽度の脆弱化で発生する「表層の細かいひび割れ補強」に効果を発揮します。



□よくある質問:脆弱化したコンクリートにはつりは必要?


お客様から最も多いご質問が、

「中性化や脆弱化したコンクリートに直接エポプルーフASP:DSPを塗布すれば良いのか?

それとも脆弱部ははつりが必要か?」という点です。


答え:脆弱層は除去が必要です。


粉状になった劣化部や、中性化で強度を失った表層は、そのままでは含浸材が十分に浸透せず、剥離や不具合の原因になります。


このため、下地処理(はつり・ケレン)によって脆弱層を除去し、健全部を露出させた上で施工することが必要です。



エポプルーフASP:DSPの正しい位置付け


脆弱層を「再生」する材料ではなく、健全部を補強・緻密化する材料です。

下地処理と組み合わせることで、微細クラックを充填し、表層の強度と耐久性を飛躍的に向上させます。



□まとめ


エポプルーフASP:DSPは、エポキシ系コンクリート含浸補強材として中性化や軽度劣化に有効。ただし、脆弱化したコンクリートは原則としてはつり除去が必要。


健全部に対して施工することで、微細クラック補強・耐久性向上の効果を最大限に発揮。


本製品は、劣化状況や構造条件によって適用範囲が異なります。

現場の劣化状況に応じてご使用ください。



その他ご不明な点等ございましたら、お気軽にご連絡ください。

≫≫≫お問い合わせはこちらから



関連記事はこちら↓

エポプルーフとは?特徴・用途・施工上の注意を解説

エポキシ樹脂塗料の黄変とトップコート【エポプルーフ・アドトップ】

エポプルーフA:Dカラーを用いた不陸調整